kinaco*mochi


12.記憶


「記憶を失くした…俺が守ってやる、絶対だ!」
そう口走りながら、俺の脳裏には確実に昔の恋人の姿が浮かんでいた。



『ロック』
今、目の前に居る女の子が、記憶と被って、輪郭がブレる。
青みがかった長い髪…



「レイチェル?」

ふと目を閉じる。

俺の記憶の中のあいつは、いつも俺を追って、不安げな瞳をしている。
トレジャーハンターとして、世界を駆け回っていた俺の影をいつも追って。
危険なことはしないでと、泣かれたこともあったっけ…

最期まで、哀しい思いしかさせられなかったな…不甲斐無い。
今度こそ、今度こそは、
『俺が守る』

「…ロック?」

「っ、あ、ああ…」
惚けていた俺の目の前で、ティナが、瞳をしばたかせていた。
あいつな…わけないよな。

今度こそは、俺がお前を追って、追って、今度こそ捕まえる−−−−−
世界中駆け巡ってでも。

「行こうか」


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